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社会保険・労働保険で貰えるもの、払うものは?

社会保険・労働保険で貰えるもの、払うものは?こんないい事があります。これだけかかります。

 社会保険や労働保険に加入する際、主に社長さんから質問をいただくのが、「何かいい事あるの?」「保険料がいくらかかるの?」「いつかかるの?」という現実的な問題(!)です。 そんな疑問にお答えし、ここでは保険のしくみを簡単にご説明していきます。
是非、保険に加入される際のご参考にしてください。

■労災保険

 会社で人を雇った場合に、万が一社員が仕事中にケガをすると大変なことになります。
 労働基準法によって仕事中のケガは全て会社の責任となり、治療費は全額会社で負担することが義務づけられているからです。
 しかし、実際に会社が治療費を出そうとすると、ケガの程度によっては大変な額になってしまいます。そこで、国で保険に入ることを義務づけて、労働者が必ず補償を受けられるようにする、会社が補償で倒産しないようにする(!)ことにしました。

労災保険料 → 賃金の0.3%(会社負担)
※建設業など、業種ごとに保険料率が異なります。

 労災保険の保険料は賃金の0.3%と非常に安く、しかも仕事中だけでなく、通勤中のケガも全額保険でカバーされます。実際お得な保険ですので、社員を雇う場合には必ず労働保険の手続き(→法人の場合)(→個人の場合)をしてください。

 最初に社員が入ったときに、労働保険の保険関係成立の手続きを行います。
 成立と同時に年度末(3月31日)までの保険料を(見込みの賃金額×保険料率)で計算して、前もって納めておきます。そして、年度が終わった後に(実際の賃金額×保険料率)で計算して、過不足を精算します。
 不思議な感じがしますが、会社で労働保険の保険関係成立の手続きをしますと社員の一人一人が労災保険に入ったことになります。雇用保険や社会保険のように、「被保険者」という概念がなく、会社単位でえいやっ!と保険に入る印象です。

■雇用保険

 社員が仕事を辞めると、当然収入がなくなってしまいます。蓄えがあるうちにすぐ仕事が見つかればいいですが、いつもそうはいきません。
 そのため、雇用保険が、退職して仕事を探している数ヶ月の間、退職前の賃金額の半分ほど(年齢や勤めていた期間、退職理由による)の失業給付を出して、生活を支えています。
 また、賃金が減額される高年齢者や賃金をもらえない育児休業者・介護休業者に対する賃金の補填なども行われます。

雇用保険料 → 賃金の0.85%(会社負担)0.5%(本人負担)
※建設業の場合、賃金の1.05%(会社負担)0.6%(本人負担)

 雇用保険の本人負担分の保険料は毎月の賃金を支払う際に源泉徴収します。会社負担分の保険料は、 労災保険料と併せ「労働保険料」として年度末(3月31日)までの保険料を(見込みの賃金額×保険料率)で計算して、前もって納めておきます。そして、年度が終わった後に(実際の賃金額×保険料率)で計算して、過不足を精算します。
 本人負担分の保険料は前もって納める際にいったん会社が立て替え、月々の源泉徴収で回収する形になります。

■健康保険

   健康保険は、本人の仕事以外の病気やケガと、家族の病気やケガを保障してくれる保険です。私たちは普段、病院で健康保険証を提示して3割の自己負担で治療を受けていますが、残りの7割の治療費は健康保険から病院へと、費用の支払いを行っています。市町村で加入する国民健康保険とよく混同されますが、大きく違う点は、家族(被扶養者)の分の保障も含まれている点です。
  また、病気やケガで会社を休んで賃金を受けられない場合に、休業4日目からの賃金の3分の2程度を保障される点があります。女性の場合はさらに、出産前後に会社を休んで賃金を受けられない場合に賃金の3分の2程度を保障される点もあります。  

健康保険料 →
下記以外:標準報酬の4.985%(会社負担)4.985%(本人負担) 40歳以上65歳未満:標準報酬の5.775%(会社負担)5.775%(本人負担)
※各々東京都の場合で、都道府県ごとに異なります。

  健康保険は賃金額に直接保険料率を掛ける労災保険・雇用保険とは異なり、賃金額ごとに決められる「標準報酬」に保険料率を掛けて保険料を計算しています。
入社時の賃金(基本給+交通費)が標準報酬の表のどこに当てはまるかによって、標準報酬は決まります。たとえば19万円以上21万円未満であれば、190,000円でも209,999円でも、標準報酬は一律20万円となります。
ちなみに、このシステムを上手く利用して保険料を合理化している会社もあります。

 入社後に決まった標準報酬(保険料)が変わるには、2つのパターンがあります。
毎年7月に再計算(「算定基礎届」という手続きが必要です)され、9月から新しい保険料となるパターンと、社員の賃金のベース(基本給や交通費)が変更され、合計額が以前のものと比較して大幅に増減した場合の変更(「月額変更届」という手続きが必要です)です。
このあたりも、保険料を合理化する知恵が活かされるところです。それぞれ、保険に加入した翌月に支払う賃金から控除を開始して、その月の末に会社負担分とあわせて保険料の納付を行います。

■厚生年金保険

   厚生年金に加入していると、本人が65歳になったとき、重い障害になったとき、妻を残して亡くなったときなど(それぞれ被保険者期間や保険料納付などの条件があります)に、それまでの加入月数や報酬(保険料)額に応じた額の年金や一時金を受けることができます。
 市町村で手続きをする国民年金の保険料と比べると、厚生年金保険は報酬の8.914%程度ずつを会社と本人でそれぞれ負担(報酬からそのつど控除して、会社で納付)と少し高く感じられますが、本人と配偶者(妻)の国民年金の保険料も含まれているため、自分の厚生年金と国民年金、配偶者の国民年金とあわせて3つの年金を受けられるようになるメリットがあります。
1つだけ年金に入っているつもりで、3つの年金の保険料も一緒に支払っていることになります。  
厚生年金保険料 →
標準報酬の8.914%(会社負担)8.914%(本人負担)

  厚生年金は健康保険と同じく、賃金額ごとに決められる「標準報酬」に保険料率を掛けて保険料を計算しています。
標準報酬についてはすべて健康保険と連動しているため、こちらで改めて手続きを行う必要はありません。ただし、厚生年金の標準報酬は健康保険と異なり、62万円(会社負担本人負担はそれぞれ55,266円)で頭打ちです。
ちなみに、このシステムを上手く利用して保険料を合理化している会社もあります。

 つまり、賃金額が一定以上になると保険料の額が上がらなくなる(!)ということです。 これを上手く活用して、保険料を合理化する方法も考えられます。 それぞれ、保険に加入した翌月に支払う賃金から控除を開始して、その月の末に会社負担分とあわせて保険料の納付を行います。

ポイント 社会保険労務士ヤマモトからのポイント提案
 従業員が少人数の会社を経営されていて、まだ社会保険に加入していない方などは、毎月の保険料でお金がかかるんじゃ…?と思う方も多いと思います。私もいつも保険料の納付書とにらめっこをしていますが、確かに高い。保険料率は健康保険が報酬の4.985%づつを会社と本人で折半、厚生年金保険が報酬の8.914%づつを会社と本人で折半になります。

 しかし、市町村で国民健康保険と国民年金に入るにも、毎月保険料がかかります。国民年金保険料は毎月15,590円と一定ですが、国民健康保険料は前年度の住民税額によって決まる(詳しくはお住まいの市区町村のホームページをご覧ください)ため、自分はそんなに所得が高いほうでないと思っていても、高い額の国民健康保険料を支払わなければならなくなることがあります。

【保険料の比較】


・市区町村で国民健康保険+国民年金に入った場合
 → 自分と扶養している家族人数分の国民健康保険料+自分の国民年金保険料+配偶者の国民年金保険料
・会社で健康保険+厚生年金に入った場合
 → 自分の健康保険料(扶養している家族の健康保険料は実質無料)+自分の厚生年金保険料(自分と扶養している配偶者の国民年金保険料は実質無料)

 比較したら、どちらが安くなるでしょうか?
 お手元の国民年金保険料や国民年金保険料の納付書と健康保険・厚生年金の保険料(資料)をぜひ比較してみてください。もしかすると、会社で入ったほうが今より安くなるかもしれません。

  もちろん、求人などで有利になるのは言うまでもありません。

  このガイドについてはすべて自己責任で利用していただくとともに、わからないことは行政(労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所、健康保険協会)に確認してください。手続きに必要な書類も配布しています。それでもご心配の場合は・・・、私の方へご相談ください。

詳しくはこちら → 東京人事労務工房「労働保険社会保険加入(新規適用)」

中小・ベンチャー企業にありがちな失敗・・・
case

社会保険に加入しないでいたら、年金事務所から加入の勧奨を受けた。

プロならこうする!

基本的に加入は避けられないので、条件について年金事務所側と交渉します。

case

労災保険に加入しないでいたら、労災事故が発生して会社が治療費を一部負担することになった。

プロならこうする!

アルバイトを一人でも雇用することになったら、労災保険はすぐに加入しておきます。

case

会社が年金事務所に支払う社会保険料を滞納してしまい、支払いに困っている。

プロならこうする!

支払いの条件について年金事務所側と交渉します。

case

社会保険料を節約しようとして、わざと低い給与で届け出を行ってしまった。

プロならこうする!

速やかに修正し、合法的に社会保険料を合理化する手段を考えます。

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